台湾での生活

45歳で留学し台湾で生活する独女の備忘録

無償の親切

思い出すと幼い頃より「他人に迷惑をかけないように」そればかり言われていた様な気がする。

大人達から言われた事は正しいに違い無いと思い、

他人に迷惑をかけないように、そればかり考えていた。

社会人になるとその考えは更に強くなる。

加えて先を読む事、空気を読む事、

裏を読む事も強いられるようになった。

何も疑問に思わず受け入れた。

先を読んで仕事をしたり、裏を読んで先輩を喜ばせるのは、

どちらかといえば得意な方だった気がする。

時々空気が読めなくて、大きな失敗をした。

死にたくなる程、大きな失敗をして、

失敗というか他人に迷惑をかけた。

あれ程、迷惑をかけてはダメですと

言われていたのに。それなのにだ。

そんな時は死にたくなった。

 

先日、登校しようとリュックを持ち上げた瞬間、ギックリ腰に。

そのまま床に倒れた。

息が出来ない程の激痛が走りパニックに。

今年の1月、台湾に荷物を送る時も同じ事があった。

それを思い出し、大丈夫落ち着け治る。と

自分に言い聞かせ、床に倒れたまま動かないこと15分(動かなかった)

腰に力が入らない。背中に激痛。

 

ずるずると這いつくばりベッドに辿り着くと携帯で学校にお休みの連絡を入れた。

 

暫く連絡を取っていなかった台湾人のおばさんから「おはよう」のLINEが来ていた。

少し迷ったがギックリ腰で動けないと伝えた。

来てくれると言うので甘えた。

オートロックの玄関も電子キーが無いと乗れないエレベーターもマンションのオーナーに頼むしか無い。

オーナーへ連絡を入れると先に彼女が部屋に駆けつけてくれた。

塗り薬を持ってきて背中に塗ってくれた。

おばさんに直接電話して、私の容態を伝えてくれて、

自分の電話番号を伝えて直接やり取り出来る段取りを取ってくれてた。

もう、何も出来ない動けないのだから、

甘えるしかない。

これまで日本でも散々迷惑をかけてきた。

それを咎める友人なんて居なかった。

 

駆けつけて看病してくれたおばさんに

「忙しいのにごめんなさい」とか

「本当に申し訳ない」と謝ってばかりいたら、

「そんなのなし!もう家族なんだから!」と優しい笑顔で返された。

そして抱きしめられた。

 

数日後、部屋に置きっぱなしの塗り薬を

オーナーに返却しようと、抹茶と苺のポッキーを持って尋ねると、

薬はあげると言う。ポッキーだけ渡してお礼を伝えると「もう親友なのよ!遠慮しないで!」とここでもオーナーの、お姉さんに抱きしめられた。

 

台湾の優しさに包まれて、

再度確認した。

分かってはいた。

人は他人に迷惑をかけずに生きる事は無理。

お互い様なんだ。

 

無償の親切に触れ、残り少ない人生をどうするか決まったような気がした。

 

 

最近覚えた言葉

社群網站→SNS

缺乏主見→自分の意見の無い

他有主見→彼は芯がある

注意到性格的一同→性格の不一致に気付く